仙台高等裁判所 昭和28年(う)547号 判決
職権を以つて法令の適用を調査するに、賍物の売却処分方を依頼されてこれに応じ、その賍品を運搬した上、売却方の斡旋をして牙保した場合は包括一罪であつて、運搬と牙保との二個の罪を構成するものではないと解するのが相当であるところ、本につきこれをみるに(後記)、証拠によれば被告人の所為は正に前敍の場合に該当するので、包括一罪を以つて断ずべきであるに拘らず、原判決が賍品である原判示衣類の運搬と牙保とがそれぞれ別箇独立の罪を構成するものとし、これに併合罪の規定を適用処断したのは法令の解釈適用を誤つた違法があるものというの外なく、右の違法は判決に影響を及ぼすことが明らかであつて原判決はこの点で破棄を免れない。